2012年10月11日木曜日

もっと親切にしたのに


(ネットからの抜粋です)

休日のスーパーマーケットできゅうりを選んでいると、外国人の女性が私の横にいた女性に話しかけた。

女性は戸惑って片手を振って立ちさった。外国人女性は私を次のターゲットにさだめ、いささかわかりにくい英語で、でも決然と言った。

ここでテレフォンカードを買えますか。
私はテレフォンカードが必要です。

ここではおそらく買えません、どこで買えるか私は知りません、と言うと、どこで買えますかと一生懸命に訊く。

私と一緒に買い物をしていた人が見かねてあいだに入り、コンビニエンスストアで買えますと言った。

国際電話をかけたいと日本語で言ってください、と彼は教えた。

いいですか、コンビニエンスストアの人に、コクサイデンワと言うんです、そうしたらきっとカードを売ってくれますから。

コクサイデンワ、ですよ。

私たちは食料品を詰めた袋を持って外に出て少し歩き、コンビニエンスストアに入った。

レジの前にはさきほどの外国人女性がいて、店員さんと押し問答をしていた。

彼女は私たちを見るとぱっと笑顔になり、カードを買おうとしているんです、と言った。

彼はため息をついて店員さんに彼女の意図を説明し、店員さんは彼女にテレフォンカードを売った。

彼が彼女と店員さんのことばをほとんど無視して早足で店を出たので、私は走って追いついて、どうしたのと訊いた。

あなたは親切で立派だよ、それにとても英語がきれい、あの女の人も店員さんもあなたのおかげで助かったんだよ、それなのにどうしたの、人に親切にしたのに、いい気持ちにならないの。

だって一度教えたじゃないか、と彼はつぶやいた。

もし一度で覚えられないならメモをとるべきだ、だいいち家族を置いて外国に働きに来て電話をかけたいと思うならそのための準備をしておくべきだ、公衆電話に現金を入れて国際電話をかけたら割高だからカードを使う、そこまではあの人も知っている。

そこまで話して、彼は急に吐き捨てるような声になる。

それならどうしてそれが買える場所と買うための簡単な日本語くらい勉強しておかない、あの人は準備が足りない、そうして誰かが自分を助けてくれると思ってスーパーで声をかける、見るからに外国人の顔をして、へたくそな英語で、あんなの誰も助けてくれるはずがない、僕はそういうのを見るといらいらする、無力で少数派で頼りになる人がいなくて、だったらちゃんと自分で自分の身を守らなくちゃだめじゃないか、できることはみんなしておかなくちゃだめじゃないか、もし精一杯やった上で困っていたのなら、僕はもっとちゃんと親切にしたのに、買いたいものが置いてあるところに連れていって後ろで見ていてあげたのに。

「もっと親切にしたのに」

2012年9月17日月曜日

卵子は生まれるときに一生分が作られて、それを10代から1個ずつ放出する感じ。 それが30過ぎると劣化がひどくなってくる。

(ネットからの抜粋)


NHKで放送された番組の内容 

 ・女性の卵子は生まれた時から体内にあり、新たにつくられることはない。年齢とともに卵子も年をとり、数も減っていく。

 ・思春期以降に日々億単位で生成される男性の精子とは決定的に異なる。

 ・「女性の年齢」が「不妊症の割合」「不妊治療・体外受精の失敗確率」「子の染色体異常」に直結する。

 ・不妊治療・体外受精は「魔法の治療」ではない。卵子が老化していたらどうしようもない。時間は巻き戻せない。 



多くの女性が、不妊治療に来て上記の事実を知り、愕然とする。
医師にとっては当然の事実なのに、知らない女性があまりに多い。 




名古屋大学大学院 産科教授様の冷徹なお言葉

 ・卵子は老化します。

 ・体外受精は魔法の治療ではありません。35歳以上で16%程度です。 

 ・不妊の9割は卵子の老化が原因です。 

 ・卵子凍結は確立した医療ではなく、何があるか分かりません。

 ・芸能人の高齢出産のニュースに惑わされないでください 。

 ・40を過ぎたら基本あきらめてください 。

 ・我々は哺乳類です。

 ・好きな言葉ではないのかもしれませんが”適齢期”は存在します。

 ・努力しても出来ないことがあることを、受け止めましょう。



http://majikichi.com/archives/7451275.html

2012年8月22日水曜日

薔薇

(ネットからの抜粋です↓)


じいちゃんは、定年退職後バラの手入れに第二の人生を見いだした。

朝から晩まで、庭中に置いてある100株以上のバラの鉢の世話に明け暮れている。

時々品評会などにも出品し、好成績をおさめているらしい。

消毒などで近所の人たちにご迷惑をかけることもあるので、じいちゃんはバラが咲いたら惜しげもなくあちこちに切り花として配る。

通りすがりの人がほめただけでも、じいちゃんは花束にしてバラをプレゼントする。

近所の公民館、幼稚園、グループホームなどへも寄贈している。

病院のロビーにも欠かさず届けているので、受付の人や先生ともなじみとなり、じいちゃんは風邪をひいてしんどくなって近所の病院にいくと特別に待ち時間なしにしてもらえたと、嬉しそうに話していた。

じいちゃんのバラは大好評で、地域をあげてじいちゃんを応援してくれる。

窃盗の多い地域だけど、じいちゃんの鉢だけは誰も取って行くことはなかった。

今までは・・・。



じいちゃんはバラの盆栽にはじめて挑戦した。

何年目かの春、あまりに見事に咲いたので、地域の公民館の作品展に出品し、○○公民館祭芸術賞を受賞して、鼻高々だった。

まるでサクラのように古風に咲くバラの花は本当に美しくて、じいちゃんは地域の人にももっと見てもらおうと、玄関先に出しておいた。

月夜の晩には暗闇に凛として、それはそれは美しい花だった。

ある朝じいちゃんが玄関に出ると、鉢はなかった。

はじめて盗まれて、じいちゃんは呆然としていた。

鉢は近所の泥ママが持っていっていた。

泥ママの近所の人がみんなで

「この花は○○さんちのじいちゃんが咲かせたものだ」

「なぜじいちゃんとつきあいのない貴女の家にあるのか?」

と口々に尋ねたらしい。

泥ママは泣きながらつい魔が差して盗んだことを白状し、近所の世話好きママに連れられてわが家まで謝りにきていた。

じいちゃんは、

「その鉢はこの人にあげたものだ」

と言い張り、鉢を受け取らなかった。



付き添いのご近所ママが帰ったあと、じいちゃんは泥ママと長い時間話をしていた。

泥ママはお金がないわけではなく、仕事と浮気に夢中で家庭を顧みない夫と、育児疲れでぼろぼろになっていて、美しいバラに目を奪われてしまったと、泣きながら告白したらしい。

じいちゃんは泥ママに改めてバラの鉢をプレゼントし、じいちゃんの庭で一緒にバラの手入れをしようと提案した。

泥ママはその後改心してじいちゃんに師事してバラの育成を学び、泥ママの家はご近所で有名な第二のバラ屋敷となった。

花の咲き乱れる泥ママの屋敷には園芸好きの人たちが出入りするようになり、孤独で引きこもりがちだったかつての泥ママはすっかり明るくなって、浮気ざんまいだったご主人も泥ママのところに無事帰ってきた。



2012年8月13日月曜日

「小さな幸せ」を僕たちは嫌悪した。


(ネットからの抜粋です)

学生時代、仲の良かった4人で6畳一間の安下宿で夢を語り合いました。

あんな大人にはなりたくない。

毎日満員電車で通勤し、小さな家を買って、小さな車に乗り、休日には家族で出かける。

こういう「小さな幸せ」を僕たちは嫌悪した。

4人とも上場企業に就職したけれど、1人は10年ほど前に会社が倒産し、その後音信不通。
1人は15年前に独立し、一時期稼ぎまくって、この世の春を謳歌したけれど、5年前に自己破産。
それから何をやってもうまくいかず、先月「借金取りから逃げるために、しばらく海外に飛ぶ」という連絡が入りました。
1人は独立するタイミングをつかめぬまま、現在も同じ会社で働き、安月給と嘆きながらも、それなりに安定した生活をしている。
そして僕は父の会社を継いだものの売り上げは父の代の3分の1にまで減少し、それでも青息吐息で続けています。

若いころ僕たちが嫌悪した「小さな幸せ」を得ることがいかに難しいか「小さな幸せ」がいかに尊いかということを実感しています。

大学生と話す機会がたまにあります。

夢を語る彼らに対し「現実はなかなか厳しいよ」と話す僕は、彼らから見ると「こんな大人にはなりたくない」、まさに僕自身が嫌悪した大人になっているのだと思います。
これを様々な経験を積んできた結果の「成長」と呼ぶのか、あるいは夢破れた結果の「敗者」であるのか。

僕自身わかりません。



いまでもときどき思い出すこと

2012年8月7日火曜日

ホームページを更新・追加しました。

ホームページをスマートフォン対応にしているのですが、iPhoneの場合はショートカットしてホームページに行く時に、ブックマークの代わりにSAFARIの"ホーム画面に追加"を押すと、iPhoneのホーム画面にアイコンとして保存されます。

ただ、大抵のサイトが"ホーム画面に追加"を押すと、ページ全体の小さい画像になってしまいます。

そこで分かりやすいように、僕の"LOOT"のロゴが表示されるようにしました。



是非iPhoneを使っていて、僕のホームページをチェックしてくれている人は試してみて下さい。
僕のiPhoneの壁紙(幸運?の一つ目招き猫)は、こちらで無料配布しています。


それとInstagramに載せている作品を正方形のキャンバスにプリントして販売するサイト「Instacanvas」に登録しました。



Instacanvas[http://instacanv.as/japanese_street_artist]の方にも随時作品を載せていきますので、皆さんチェックよろしくお願いします。



2012年8月3日金曜日

やりたくないだけ


(ネットからの抜粋です)

もう20年以上もまえに僕が見出した法則の一つに、
「悩んでいる人は,解決方法を知らないのではなく、
それを知っていてもやりたくないだけだ。」
というものがある。

方々で何度も書いたり話したりしている。

悩んでいる人を揶揄しているのではない。

人間というものは,自分のことを一番よく考えている。

貴方のことを一番考えているのは貴方なのだ。

これは例外なくすべての人に当てはまることだろう。

どうすれば良いのかは、わっているけれど、
その方法を素直に選択できない状況下にある。

だから悩むのである。


解決の方法がないわけではない、というのが、
この法則の意味だ。

道に迷っているのではない。

道は目の前にあるけれど、なんらかの理由で
その道を通りたくないのである。


森博嗣 (2009). 自由をつくる 自在に生きる 集英社 p.109

http://extract.blog.shinobi.jp/Entry/1037/

2012年7月25日水曜日

DJ があふれている・・・

(ネットからの抜粋です↓)




今、クラブはDJが溢れている。

お客さんも8割DJで、みんなそれぞれの
イベントをもっていて、イベントのために
音楽を買いイベントのためにイベントに
行く人が多いのかもしれない。

どんな有名な人を呼んでいても、それは
周りの友人達を惹きつけるためで、集まる
のはせいぜい出演DJの友達の友達の
友達のDJ。

結局内輪でDJ無限ループ。

行けばそれなりに楽しめるけど、最後に
残るものがみつからない。

音楽がずっと好きで、かっこいいプレイを
していたDJに憧れていただけなのに。

明け方のダンスフロアで生まれる不思議な
一体感に憧れていただけなのに。

いつの間にか音楽が目的でなくなっている。

なにがしたいのかがわからなくなっている。





2012年7月16日月曜日

ウマ、サル、イルカ、イヌ、ゾウなど、人間も含め哺乳類はみんな「変態」


iPhone のオリジナル壁紙無料配布中
http://loottwo.tumblr.com



(ネットからの抜粋です↓)


マスターベーションは、ウマ、サル、イルカ、イヌ、ゾウなどの
多くの哺乳類で頻繁に観察される。

メスもオスもこの快楽に身を委ねている。

そして人間と同じようにその方法は創意工夫に富んでいる。


イヌ、ヤギ、サル、モルモットなどの多くの種で、オスは自ら
フェラチオをする。

ときにはそれで射精に至ることもある。

霊長類のメスが自らクンニリングスを行ったという
注目すべき報告もいくつかある。

囲いに入れられたメスのチンパンジーが庭のホースから
流れ出る水を直接クリトリスに当てる様子が観察された
こともある。

メスのオランウータンは木の皮や棒で作った粗雑な張り形を
使うことすらある。

あるメスのヤマアラシは、棒にまたがって歩き回り、振動を
股間に伝えていた。

しかしおそらく動物たちの中で最もマスターベーションに
創造性を発揮しているのは、オスのバンドウイルカだろう。

彼らはくねくねと動き回る生きたウナギをペニスにまとわり
つかせる。


(中略)


オス同士、メス同士のオーラルセックスはハイエナや
ボノボなど数多くの種で報告されており、ボノボでは
メス同士が生殖器をこすり合わせる。

オス同士のアナルセックスは、ヒツジ、キリン、バイソンなどで
記録がある。

バンドウイルカはオス同士で互いの生殖溝にペニスを
挿入する。

アマゾンカワイルカはオス同士で互いの噴気孔に
ペニスを挿入する。

知られている限り唯一の鼻セックスの事例だ。


(中略)


動物のセックスについて語る以上、もっと風変わりな
現象を扱わないわけにはいかない。

異種間セックスだ。

捕獲されて自由を奪われた動物の間ではよく見られる
行動だが、野生動物についても例が報告されている。

オスのヘラジカがメスのウマと交尾することは
よく知られている。

シベリアの動物園ではトラとライオンが交尾して
子どもを産んだ。

野生動物の遺伝子を解析して異種間の交配で生まれた
個体を調べると言う方法で、ハイイログマとホッキョクグマの
間には性的接触があることが確認されている。


(中略)


1995年6月のある日、博物館のオフィスにいたセース・ムイリカー
博士は、オスのマガモが部屋の窓にぶつかるのを見た。

カモは死んだ。

様子を身に近寄った博士は、ほかのオスのマガモがやってきて、
死んだカモの遺骸をレイプするのを目撃した。

それは75分にわたって続いた。

ムイリカー博士がこの発見を科学誌に投稿しようと準備を
はじめると、すでにマガモの異性間屍姦について文献が
あることに気がついた。



2012年7月7日土曜日

学習性無力感


(ネットからの抜粋です↓)

心理学に「学習性無力感」という言葉がある。

気性の荒い魚カマスとえさの小魚の間を
透明の板で仕切る。

カマスは体当たりを繰り返すが、無駄だとわかると
板を外しても小魚を狙わない。

「何をしても仕方ない」。

忙しさに追われ、息切れムードが広がる職場の姿に
似てはいないか。

実験には続きがある。

別のカマスを水槽に入れるのだ。

猛然と小魚に襲いかかる様子に、無気力だった
カマスが目を覚ます。

外から飛び込む刺激は活力を取り戻す即効薬になる。

2012年7月3日火曜日

デモしかやってないのに、それで変われるわけないじゃんって。

(ネットからの抜粋↓)


自分が思うのは、もっと何か大きなことが起こったら、
国民は初めて「やるしかない」と精神が統一されて
変わるだろうけど、3・11現象だけで変われるかというと、
わからない。


「これほどデモをやってるのに再稼働が止められない、
政治が変わらない」


という不満も聞きますが、それは、それぐらいしか変えようと
思ってないということなのでは。


本当に変わるのは維新の志士のように皆が必死になるとき
はないでしょうか。

サリン作って、炭疽菌(たんそきん)作って、自分たちも死ぬ
思いをして、死ぬ恐怖を抱えて革命しようと思った妄想で
狂ってる人間たちから見ると、


「なんだよ、まだデモしかやってないんでしょう」


って。


「それで変われるわけないじゃん」


って。


もともとデモぐらいの努力で変えられるものだったら、オウムも
選挙で勝ってたろうし。

だから、少なくとも犠牲を覚悟して、


「経済なんかどうでもいい。環境が第一だ!」


「失業してもいい。オレたちはそれで自殺はしない。だから
野田首相ぜひ止めてください」


って言えば、野田首相も止めるでしょう。

だから、


「どうしたら今の政治が、国が、変われるのか」


という話を聞くと、私は、


「本当に皆、変わりたいのかな」


と違和感を覚えるのです。


そしてもし、その本音が、長い地道な努力の積み重ねではなく、
誰かに委ねて楽に変わりたいということならば、それはオウム
のように危険だなと。









ひかりの輪代表役員・上祐史浩氏「我々からしたら、デモしかやってないのに、

それで変われるわけないじゃんって」


http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120702-00000311-playboyz-soci

2012年6月29日金曜日

母親が原因の病気


(ネットからの抜粋です↓)


母親に性的なことを強く詰られたり牽制されたりした
結果の病気って凄い多い。

穏便なところでは性欲の薄い人、無い人、ED、病的な早漏。

激しいところになるとsex offender全般や快楽殺人犯。

キリスト教&快楽殺人の本場であるアメリカで多いんだけど

・結婚し家ではセックスレス&夜な夜な娼婦を惨殺する人

・少女から老人まで幅広くレイプして絞殺する人

・「聖女とそれ以外」で女を見てて、後者と判断すると
  パチーンと憎悪スイッチが入る人

・家宅侵入と殺人を繰り返し、逮捕後の法廷質問で
「殺人と自慰はどちらが罪重いと思ってるか」
  「自慰に決まってます、からかってるんですか」って
  答える人

・ヒッチハイカーを誘拐しては頭部を切断してから
  セックスしてた人

などなど、

以上は全部実例だけど、みんな母親から

「オナニーしちゃダメ」とか

「女の子とデートしちゃダメ」とか

言われた人達。

本当は母親殺したいだけなんだよねこれ。

でもどんなに残虐な犯罪繰り返してても不思議なぐらい
母親には何も出来ない。

最後の人(すごくIQが高かった)だけはしまいにトラウマを
克服して母親を殺害出来た。

母親の頭部を切断して"うるさい口"を損壊したあと
警察に電話して全犯行を自供。


http://anond.hatelabo.jp/20110215114410

2012年6月28日木曜日

女性誌が提案する「自分らしい生き方」

(ネットからの抜粋です↓)




女性誌には「自分らしい生き方」とかいうお題目で、 
30代独身を肯定するような記事がいろいろと載ってる。 

   
「それこそが先進的で現代的な生き方だ」

と言わんばかりに。 

私はそういう雑誌で編集やってたことがあるから
本当のことを
書きますけど、 作ってるほうはそんなこと信じちゃいません。 
   
ライターともよく話しました。 

「こんな心にもないこと、よく書けるな~」 


「目的は現実逃避ですからね。 じゃなかったら、 
30代独身女性は読んでくれないですよ」    

内心、

「30代独身は終わってるよなぁ」
と思いつつも、 30代独身ライフを賛美する記事を掲載する。    

でもね、そういう特集を掲載すると反響がいいんですよ。  

 
「私の生き方は間違ってなかった」

という読者カードが山ほど届く。 

間違ってるって(笑)。 

まあ単なる売れ残りに、自己肯定の機会と人生への夢が

与えられるし、たとえウソの企画でも、勘違いしてくれれば
発行部数が上がるからいいけどね。

2012年6月25日月曜日

彼女のお守り



(ネットからの抜粋です↓)




初めて彼女にあったのは、内定式のとき。


同期だった。


聡明 を絵に書いたような人。


学生時代に書いた論文かなんかが 賞を取ったらしく、
期待の新人ということだった。 

ただ、ちょっときつめ&変わった人で、やることすべて

パー フェクトだし、自分のことはなんにも話さないので、
宇宙人ではないかとの噂もあった。


まあ美人と言えば美人なんだけど、洋服とかおしゃれに
気を使わないようだったし、クソまじめだし、お高く
とまってるというより男嫌いみたいだった。


近寄る男はいなかった。


おいらも、なんかちょっと嫌いだった。 

彼女とは、偶然同じ部署に配属になった。



それまで出会ったどんな女の人とも違うので、からかって
反応を楽しむようになった。


はじめは、すごく嫌がっていた彼女だったが、半年も経つと
馴れてきたのか、そのころおいらが結婚したんで安心したのか、
少しづつ相手をしてくれるようになった。 その後、ちょっとだけ
仲良しになって、愚痴を言い合ったりするようにはなったが、
相変わらず自分のことは、何にも話さない。
 
休日何をしているかとか、家族のことはもちろん、本人のことも、 
例えば誕生日なんかも、何年間か知らなかった。 

ある日、ある試験の申し込み書類の書き方を聞いたら、自分

書類をもって来て見せてくれた。


そこに、生年月日が書いてあった。


なんと、その日が誕生日だった。


今日はデートかなぁ?などといいつつ、とりあえず、昼休みに
食べたチョコエッグに入ってたカメを誕生日プレゼントと言って
渡した。


爬虫類大好きと言って子供みたいに喜んでいたのが印象的だった。


変わってるなぁと思った。 

確かに変わった人で、いまどき携帯は大嫌いとかで、持って

かった。


写真を撮られれるのも大嫌いだった。


カメラ付き携帯で飲み会のとき撮影したら、すごく怒って、しばらく
口をきいてくれなかったこともあった。


無理やり一緒にプリクラ撮ったときは、悪用されるといやだからと
言って、シートごと全部持っていってしまった。


彼女は、がんばりやだった。


もともと才能もあったし、がんばるもんだから、どんどん出世
していった。


それにほとんど遊ぶこともなく、仕事がおわるとまっすぐ家に
帰っていた。


そんなに、お金ためてどうすんのー?お父さんの借金でも
返ししてんの?などとからかった。 

そのころには、彼女のことがとても好きになってしまっていた。

 
でも、おいらはもう子持ちなので、表に出さないようにぐっと

こらえていた。


ただ、彼女の周りをうろちょろして、愚痴の聞き役や、遅く
なったときのタクシー代わりをしていた。


でも、プライベートな関係は一切無かったし、変な噂にならない
ように気を配った。 

同僚は、おいらは彼女の「ぽち」に見えると言っていた。



自分も彼女の「ぽち」という立場が気に入っていた。 

そんな関係がしばらく続いた。



彼女は、相変わらず独身だった。


彼氏や恋人がいるかどうかは全然分からなかった。


ただ、彼女は、お守りみたいな、小さな袋をいつもバックに
つけていた。


何か聞いても、秘密のお守りとしか教えてくれなかった。


彼女が仕事のトラブルで落ち込んでいたとき、彼女のデスクで
そのお守りをギュッとにぎっていたのを見たことがあった。


だから、勝手に遠くにいる彼氏からもらったのかな?などと
思っていた。

ある日、海外出張からの帰り、成田で携帯の電源を入れた 
とたんに同僚から電話があった。


彼女が亡くなったと言われたとき、全身の力が抜けた。


みみの奥がキーンと鳴ったのを覚えている。


交通事故だった。


事故直後は、意識もあり、たいしたことはないと思われた
らしいが、内臓からの出血があり、急変したとのことだった。 

現実のこととは思えずに、なぜかあまり、涙もでてこなかった。

 
職場の何人かで、葬儀の手伝いをした。



そのとき初めて知ったのだが、母子家庭だった。


お姉さんもいるが、施設に入っているとのことだった。


彼女が大黒柱として家族を支えていたのだ。


彼女を軽率にからかったりしたこと恥じた。


とても申し訳なくて気が狂いそうだった。 

葬儀の後、帰ろうとしていると、彼女のお母さんに呼び止められた。



渡したいものがあるから彼女の実家にあとで一緒に来てほしいと
言われた。


貸していた本のことかな?と思いつつ彼女の母親と実家に向かった。


母親は、道すがら、彼女は大好きだった父親が出て行ってから、
男の人が嫌いになったこと、誰にも頼らないで自分の力で生きて
いこうと誓ったこと、土日はあまり健康でない母親と、施設の姉の
世話をしていたことを話してくれた。


自分の子供とは思えないほどがんばりやだったと。 

家に着くと、彼女の部屋に案内された。


きれいに片付いていた、というより女性の部屋とは思えないくらい
何も無かった。


ただ、専門書とノートがたくさんあった。


母親は、彼女がいつもおいらの話を楽しそうにしていたこと、
おいらのことが大好きだったけど、おいらの子供たちを自分のように
悲しませることになるといけないと思い黙っていたこと、彼女が意識を
失う直前に、おいらに会いたいと言っていたことを話してくれた。


机のすみにおいらと写ったプリクラが貼ってあった。


声を出して泣いたのは、大人になってから初めてだった。 

帰るとき、彼女が亡くなったとき身につけていたネックレスと、 
いつも持ち歩いていたお守りを形見にもらった。



そばにおいてやって下さい。と言われた。


ネックレスは母親が就職記念にあげたものだった。


ただ、母親にもどこで手に入れたか分からないお守りを受け取るのは
ちょっと気が引けた。


でも、とても大切にしていたので、受け取ることにした。


開けてみようとも思ったがやめた。 

それからすぐ転職をした。



一年後、ようやく少し落ち着いた。


見のお守りは、いつも彼女がしていたようにかばんにつけて 
持ち歩いていた。



ネックレスもお守りと同じような袋を買い、中に入れて一緒に
持ち歩いていた。


先日、職場の女の子が、
 
「これ前から気になってたんですけど、何が入ってるんですか?」

 
といい、かばんのお守りを開けてしまった。



とめる間もなかった。
 
というより、そういったときはもう中身を取り出していた。



彼女は、突然、なにこれー?といって大笑いを始めた。 

お守りの中には、チョコエッグのカメが入っていた。 

おいらは、もう、職場にいることも忘れ、ただただ泣き続けた。